膠原病・リウマチ一人抄読会

膠原病内科の勉強・アウトプットのため、読んだ論文等を投稿していく予定です。間違いがあれば遠慮なくご指摘ください。個別症例相談には応じられませんのでご了承ください。

乾癬性関節炎におけるRF・抗CCP抗体

乾癬性関節炎(PsA)は通常自己抗体陰性の関節炎ではあるが、たまにRF/ACPA陽性のことがある。 多関節炎+RF( リウマトイド因子)・ACPA(抗CCP抗体)陽性ときたら、普通関節リウマチ(RA)を考える。ただ非典型的だがにRF,ACPA陽性の乾癬性関節炎(PsA)も…

凍結肩(Frozen shoulder)

Nat Rev Dis Primers. 2022;8(1):59. 凍結肩(Frozen shoulder: FS)は癒着性肩関節包炎・四十肩/五十肩と呼ばれ、非常にコモンな肩の症状である。 関節リウマチの治療していても肩の症状が残ることは非常に多く、凍結肩としての治療を実施すると著明に改善す…

2022年ACRステロイド骨粗鬆症(GIOP)ガイドライン改訂

https://www.rheumatology.org/Portals/0/Files/Prevention-Treatment-GIOP-Guideline-Summary.pdf Arthritis Care Res (Hoboken). 2017;69(8):1095-1110. 2017年ガイドライン以来の更新で、アバロパラチド・ロモソズマブに関しての推奨もできた。2017年の内…

SLEの関節炎

SLE

Best Pract Res Clin Rheumatol. 2009;23(4):495. Curr Opin Rheumatol. 2017;29(5):486-492. SLE患者の-90%に見られる非常にコモンな症状である(Clin Rheumatol. 2009;23(4):495-506.) 一方で関節炎に特異的な治療があるわけではなく"non-renal SLE"の一…

人工膝・股関節置換術前の抗リウマチ薬/免疫抑制剤の術前休薬推奨(ACR2022年)

Arthritis Care Res (Hoboken). 2022;74(9):1399-1408. アメリカリウマチ学会(ACR)の抗リウマチ薬/免疫抑制剤使用患者での人工関節置換術前休薬推奨が5年ぶりに更新され、論文化されたので一部更新。 変更点・重要な点は以下の通り csDMARDsは継続可 生物…

蕁麻疹様血管炎

全身症状・皮疹を起こす「その他の血管炎」の一つに蕁麻疹様血管炎がある。 「治らない蕁麻疹・皮疹」の生検結果でleukocytoclasic vasculitisが出たとき、蕁麻疹様血管炎を疑って精査したほうが良い。 膠原病や悪性腫瘍に併発することもあり治療も非常に難…

Covid-19とDMARDs休薬

2022年8月現在Covid-19感染が蔓延しており、外来患者への影響が大きい。DMARDs休薬についてよく問い合わせがあり、2020年頃に公表されたガイドライン・Covid-19以外の感染症時の対応と同様にやっている。久しぶりにACR/JCR/EULARの推奨を見てみたが、ほぼ更…

SAPHO症候群の診断・画像所見

Rheum Dis Clin North Am. 2016;42(4):695-710. J Child Orthop (2015) 9:19–27 SAPHO症候群(Synovitis-Acne-Pustulosis-Hyperostosis Osteitis:滑膜炎、痤瘡、膿疱症、骨硬化、骨炎)は、胸部・鎖骨を中心とした硬化性/肥大性骨関節病変が特徴となる疾患…

リウマチ性疾患患者の予防接種に関するガイドライン改訂(ACR)

https://www.rheumatology.org/Portals/0/Files/Vaccinations-Guidance-Summary.pdf 米国リウマチ学会(ACR)からのリウマチ性疾患患者へのワクチン推奨改訂。日本の臨床現場に応用しにくい部分もあるが紹介。 参考にはなるが推奨としては弱く、そのまま適応…

難治性ループス腎炎治療へのエキスパートオピニオン

SLE

Arthritis Rheumatol. 2022;74(6):915-926. 全身性エリテマトーデス(SLE)の臓器病変といえば、ループス腎炎(LN)だが、難治例も多々見られる。その治療に関してのエキスパートオピニオン。 【ポイント】 治療を行って反応がなければ「難治性ループス腎炎…

臨床型別の特発性炎症性筋症の治療

Best Pract Res Clin Rheumatol. 2022 Jun 28:101762. 特発性炎症性筋症(IIM)は、皮膚筋炎(DM)・免疫介在性壊死性筋症(IMNM)・封入体筋炎(IBM)といった様々な病型がある。 臨床型別での治療オプションの紹介があったので紹介 ※HCQ:ヒドロキシクロロ…

ピロリン酸カルシウム結晶沈着症/偽痛風の関節エコー

ピロリン酸カルシウム結晶沈着症(Calcium pyrophosphate deposition disease,以下CPPD)は、高齢者の関節炎としては非常にコモンな疾患ではあるが、その診断・マネジメントともに非常に難しい。 関節穿刺によるピロリン酸カルシウムの同定が最も有用だが、…

75歳以上のANCA関連血管炎へのRituximabの有効性・安全性

ANCA関連血管炎(AAV)へのRituximab(RTX)はkey-drugと化しており、RTXを使うことができればステロイド用量を大幅に削減できることがわかっている。一方で75歳以上への適応は不明な部分があり、RTX使用をためらうシーンは多々ある。 それに関してJAMAに報…

GRAPPA乾癬性関節炎(PsA)ガイドライン2021

Coates, L.C., Soriano, E.R., Corp, N. et al. Group for Research and Assessment of Psoriasis and Psoriatic Arthritis (GRAPPA): updated treatment recommendations for psoriatic arthritis 2021. Nat Rev Rheumatol (2022). https://doi.org/10.1038…

Tocilizumabと好中球減少

Tocilizumab(TCZ, 商品名アクテムラ®)は、関節リウマチ(RA)・若年性特発性関節炎(JIA)などに適応のある生物学的製剤で、使用頻度も多い。 一方で「好中球減少」がよく見られるが、あまり感染症とは関係ないとされている アクテムラ®の添付文書上、「無顆…

ループス腎炎と末期腎不全

SLE

Am J Med Sci. 2013;346(4):319-323. Semin Nephrol. 2015;35(5):500-508. 全身性エリテマトーデス(SLE)の臓器病変のうち、最も問題になりやすいのがループス腎炎(LN)である。 罹患率・死亡率が高いこともそうだが、末期腎不全になった後の管理(活動性…

炎症性腸疾患と血管炎

Crohn病(CD)・潰瘍性大腸炎(UC)といった炎症性腸疾患(IBD)は血管炎との関連が知られている。 大別すれば ①IBD単独、血清マーカーだけ陽性(血管炎合併なし) ②IBDと血管炎合併 ③IBDそのものが血管炎を起こす(腸外症状の一部) ④血管炎がIBDのような消…

65歳以上のRA患者への低用量ステロイドは有効か?

Ann Rheum Dis. 2022;annrheumdis-2021-221957. 疾患活動性の高いRAの大して"bridging"としてステロイドを使うべきかはよくわかっていない。ガイドライン的にも紛糾している。 ACR2021年推奨では ・中-高疾患活動性のDMARDs未使用患者では、短期ステロイド+…

ANCA関連血管炎とANCA種類の組み合わせ

教科書だけ見ると、 MPO-ANCA→顕微鏡的多発血管炎(MPA) PR3-ANCA→多発血管炎性肉芽腫症(GPA) という一対一対応に見えるが、実際はそうではなく逆のパターン(MPO→GPA、PR3→GPA)もあれば、両方とも陽性のパターンも散見される、という話。 まとまった文…

神経・精神症状を起こすSLE(NPSLE)

SLE

Drugs Aging. 2022;39(2):129-142. Radiographics. 2022;42(1):212-232. Arthritis Rheumatol. 2019;71(1):33-42. Cureus. 2021;13(9):e17969. Rheumatology (Oxford). 2020;59(Suppl5):v52-v62. SLEは様々な臨床症状を起こすが、その一つに神経症状・精神症…

高安動脈炎の治療 〜日米欧ガイドラインの比較〜

高安動脈炎は難治性かつ治療エビデンスも限られることから、どう治療するかは非常に悩ましい 参考になるのはガイドラインで、日本・アメリカ(ACR)・ヨーロッパ(EULAR)それぞれガイドラインが存在する ACRガイドライン…2021年大血管炎ガイドライン(Arthr…

急性糸球体腎炎レビュー

Lancet. 2022;399(10335):1646-1663. 糸球体腎炎は膠原病によくある症状かつ、予後を規定する重要な疾患である。一方で膠原病とはあまり関係しない腎炎もあり、手出ししにくい領域でもある。そのへんの復習になるレビューがあったので読んでみた。非常に長い…

治療抵抗性関節リウマチ

Ann Rheum Dis. 2021;80(1):31-35. Nat Rev Rheumatol. 2021;17(1):17-33. 治療の進歩によって関節リウマチ(RA)の予後は大きく改善したが、それでも難治例は残っている。 難治例の中には、「薬が効かない」というだけでなく、線維筋痛症のような痛みが残る…

後腹膜線維症レビュー

Curr Rheumatol Rep. 2021;23(3):18. AJR Am J Roentgenol. 2008;191(2):423-431. 後腹膜線維症はIgG4関連疾患の関係で膠原病内科に相談が来ることが多いが、いい文献がなかったのでまとめてみた 【ポイント】 後腹膜線維症は、IgG4関連疾患・特発性後腹膜線…

巨細胞性動脈炎の眼合併症

J Clin Med. 2022;11(7):1997. 巨細胞性動脈炎で緊急性の高い合併症といえば失明であるが、実はその内訳は多々ある。 虚血症状がメインであるため、不可逆的な後遺症を残すことも多々ある。一方で早期治療で改善させることができる。 【ポイント】 GCAの眼症…

リウマチ性疾患におけるFDG-PET

Rheumatology (Oxford). 2021;keab675. PET-CTは悪性腫瘍の評価として有名だが、リウマチ性疾患の診断にも非常に有用である。 日本では大血管炎に対してのみ保険適応があり、自費検査では非常に高価である。 ただ、画像パターンを知っておくと診断・鑑別・フ…

ループス腎炎寛解導入でのタクロリムスvsシクロホスファミド静注

JAMA Netw Open. 2022;5(3):e224492. SLE合併症の代表例であるループス腎炎(LN)への寛解導入療法といえば、ステロイド+免疫抑制剤である 免疫抑制剤の選択肢として、カルシニューリン阻害薬の一種タクロリムス(Tac)・シクロホスファミド静注(IVCY)が…

2022年乾癬性関節炎(PsA)バイオ/JAK薬価早見表

薬価は厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/topics/2022/04/tp20220401-01.html)参照 2022年注目ポイント アダリムマブBSの値下げ幅が大きい コセンティクス小幅値上げ 赤字が薬価改定あった部分 関節リウマチ版 ctd-gim.hatenablog.com 【画像版】 ◎TNF…

2022年RAバイオ/JAK薬価早見表

薬価は厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/topics/2022/04/tp20220401-01.html)参照 2021年からの変更点は赤字で記載 ◎2022年注目ポイント エタネルセプトBS、アダリムマブBS、アクテムラ点滴の値下げ幅が大きく、3割負担で2万円弱/月になった JAK阻害薬…

皮膚エリテマトーデス(CLE)レビュー

SLE

Nat Rev Rheumatol. 2019;15(9):519-532. Curr Opin Rheumatol. 2020;32(3):208-214. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2017;31(3):389-404. SLEの皮膚病変は非常に多彩でややこしい。 その理由として SLEと合併して起こる皮膚症状もあれば、皮膚症状のみ起こ…