膠原病・リウマチ一人抄読会

膠原病内科の勉強・アウトプットのため、読んだ論文等を投稿していく予定です。間違いがあれば遠慮なくご指摘ください。個別症例相談には応じられませんのでご了承ください。

血管ベーチェット病

 
血管ベーチェット病は非常に難しく、その要因として個人的には3つ挙げたい。
  • 動静脈・血管径問わず様々な病変を起こすため、病変が多彩すぎる
  • ベーチェット病自体確たる診断方法がないのに、血管型に関しては更にあやふやな部分が多く、確定診断が非常に困難
  • 希少疾患すぎて治療が全くわかっておらず、効果判定も難しい
比較的新しいレビュー・ガイドラインをできる限りまとめてみた。
  • ①総論
  • ②疫学
  • ③症状・病変
  • ④診断
  • ⑤治療
    • ◎内科的治療
      • -動脈病変
      • -静脈病変
    • ◎外科的治療
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SLEの眼症状

Clin Exp Med. 2018;18(2):135-149. 
SLEの稀な症状として眼病変があるが、詳しくまとめてみる
  • SLE患者の約3分の1に眼病変があるとされ、病変部位は様々
  • SLEの初発症状が眼症状という報告は多々ある
  • 眼窩周囲、付属器、眼球、視神経等に病変を起こす
  • SLEの他シェーグレン症候群関連症状もある
SLEにおけるRed-eyeの原因(Rheumatology (Oxford). 2007;46:1757–62)
多い ドライアイ(乾燥性角結膜炎)
少ない 上強膜炎
強膜炎
結膜炎(非感染性)
まれ 角膜炎(乾性角結膜炎以外)
前部ブドウ膜炎
 
SLEにおける視力喪失の原因(Rheumatology (Oxford). 2007;46:1757–62)
前眼部 重度の乾燥性角結膜炎
水晶体 白内障(炎症・ステロイド
硝子体 硝子体出血(増殖性網膜症に続発)
網膜 度の血管閉塞性網膜症
網膜中心静脈閉塞症 (CRVO)
網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)
網膜中心細動脈閉塞症(CRAO)
網膜細動脈分枝閉塞症(BRAO)
滲出性網膜剥離
中毒性黄斑症(クロロキン網膜症)
脈絡膜 ループス脈絡膜症
脈絡膜滲出液
脈絡膜梗塞
脈絡膜新生血管膜
神経 視神経炎
前部虚血性視神経障害
後部虚血性視神経障害
視交叉障害
皮質梗塞
  • ①眼周囲
    • ◎眼瞼の皮膚症状
    • ◎ドライアイ(乾燥性角結膜炎)
  • ②前眼部
    • ◎角膜炎
    • ◎上強膜炎・胸膜炎
    • ◎結膜炎・前部ぶどう膜炎
  • ③後部
    • ◎網膜症
    • ◎脈絡膜疾患
    • ◎視神経炎
    • ◎虚血性視神経症(ION)
    • ◎眼球運動障害・神経眼症状
  • ④SLE治療薬の有害事象
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関節リウマチレビュー(BMJ/Lancet)

Lancet. 2023;402(10416):2019-2033.
BMJ. 2024;384:e070856.
 
RAのレビューが相次いで5大ジャーナルから出ていたので、基礎事項確認としてまとめ
  • ◎病態
  • ◎抗体
  • ◎臨床症状
  • ◎治療
    • Methotrexate
    • Hydroxychloroquine※日本では適応外
    • ※日本では適応外
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炎症性腸疾患の肺病変

炎症性腸疾患(IBD)の腸管外症状は多彩で、ぶどう膜炎・脊椎関節炎などが代表例である。たまに肺病変を起こすこともある。
肺病変パターンは気管支病変・器質化肺炎が頻度的には多く、薬剤性との鑑別が重要。
  • ◎肺病変分類
  • ◎診断
  • ◎薬剤性とIBD肺病変の鑑別
  • ◎治療
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筋限局血管炎

筋肉には豊富な血管があり、血管炎病変になることが偶にある。まとまった報告はなかったが、自分なりにまとめてみた
 
ポイント
  • 筋限局血管炎は「原因不明の下肢痛+炎症反応高値だが、筋炎と違ってCK正常」というのが典型例
  • 様々な血管炎で起こりうるが、特に報告が多いのは顕微鏡的多発血管炎と結節性多発動脈炎
  • MRIでは筋内のT1Gd高信号、T2高信号が特徴的で、造影MRIで血管周囲の綿状高信号(fluffy nodular)が特に重要な所見
  • 筋生検が確定診断に重要…筋血管周囲のフィブリノイド壊死・周囲炎症
  • 【疫学】
  • 【診断】
    • ◎血液検査
    • MRI
    • ◎筋生検
  • 【治療】
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RA-ILDレビュー(A&R)

Arthritis Rheumatol. 2023;75(12):2067-2077. 
 
関節リウマチ(RA)に合併する間質性肺疾患はRA-ILDと総称され、高頻度かつ死亡の重大リスクとして知られている。
画像パターンとしては通常型間質性肺炎(UIP)・非特異的間質性肺炎(NSIP)が多く、症例ごとに臨床経過は様々。あくまでもエキスパートオピニオンで日本の実情に合わない部分もあるが、基礎事項のおさらいとしてまとめ。
・日本ではRAに対してRituximabが保険適応外
・日本では呼吸機能検査のハードルが高く、CTのハードルが低い
 
  • ◎疫学・有病率
  • ◎診断
  • ◎経過・予後
  • ◎モニタリング
  • ◎管理
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