膠原病・リウマチ一人抄読会

膠原病内科の勉強・アウトプットのため、読んだ論文等を投稿していく予定です。間違いがあれば遠慮なくご指摘ください。個別症例相談には応じられませんのでご了承ください。

リウマチ性多発筋痛症への高用量メトトレキサート併用

Bolhuis TE, Kooijman NESEP, Marsman DE, Snijders GF, den Broeder AA, den Broeder N, van der Maas A. Results of a 1-year randomised double-blind placebo-controlled trial with methotrexate 25 mg/week in recently diagnosed polymyalgia rheumatica. Ann Rheum Dis. 2025;84(1):1-10. doi:10.1016/j.ard.2025.11.025

全身性強皮症・皮膚筋炎・ANCA関連血管炎に対してのMMFの使い所

もともとミコフェノール酸モフェチル(MMF, セルセプト®)はループス腎炎・臓器異種食後しか保険適応がなかったが、保険適応が広がっている
  • 全身性強皮症(SSc)に伴う間質性肺疾患(2024年2月-)
  • 皮膚筋炎/多発筋炎(DM/PM)、若年性皮膚筋炎(2024年9月-)
  • ANCA関連血管炎(AAV)(2024年9月-)
  • 難治性ネフローゼ症候群(2025年3月-)

ミコフェノール酸モフェチルの保険適用のお知らせ | 一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR)

臓器移植の拒絶反応抑制等に用いるセルセプト、保険診療の中で「難治性のネフローゼ症候群」の治療に用いることも可能に―厚労省 | GemMed | データが拓く新時代医療

  • ①全身性強皮症へのMMF
  • ②皮膚筋炎・多発筋炎へのMMF
  • ③ANCA関連血管炎へのMMF
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ANCA関連血管炎管理のための10のヒント

Clin Kidney J. 2024;18(2):sfae389.
 
ヒント1. できるだけ早く診断する
ヒント2. 寛解導入治療には、ステロイドをリツキシマブand/orシクロホスファミドと組み合わせて使用​​する
ヒント3. 重度の腎機能障害やびまん性肺胞出血の患者では血漿交換を考慮する
ヒント4. 低用量ステロイド療法を使用する
ヒント5. アバコパンを早めに使用する
ヒント6. 寛解維持療法にリツキシマブを使用する
ヒント7. 腎機能、タンパク尿、ANCAおよび免疫グロブリン値をフォローする
ヒント8. 予防的抗生物質と予防接種を忘れない
ヒント9. 再発性疾患にはリツキシマブを使用する
ヒント10. 難治性疾患の場合は治療を切り替え、血漿交換を検討する

G-CSF血管炎

G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)製剤による血管炎は、主に大動脈や主要分枝動脈など大型血管に炎症を引き起こす薬剤性の副作用です。2018年から添付文書に重大な副作用として記載され、特に化学療法中の悪性腫瘍患者での報告が多い。
 
G-CSF投与→血管壁のIL-6,IL-17などが上昇→血管炎という機序が考えられている
なぜか日本人女性で報告が多く、化学療法中の患者の不明熱の鑑別として重要。

実臨床におけるANCA関連血管炎へのステロイド急速漸減(PEXIVAS試験レジメン)の解析

Nagle S, Nguyen Y, Guerry MJ, et al. Real-life use of the PEXIVAS reduced-dose glucocorticoid regimen in granulomatosis with polyangiitis and microscopic polyangiitis. Ann Rheum Dis. Published online November 20, 2024. doi:10.1136/ard-2024-226339
実臨床でのANCA関連血管炎へのRTX+ステロイド急速漸減は、Cre高値患者には危険かもしれない、という報告。どのような症例でステロイド初期量漸減・急速漸減するか?というのが今後の議論だろう。

実臨床におけるANCA関連血管炎へのステロイド急速漸減(PEXIVAS試験レジメン)の解析

Nagle S, Nguyen Y, Guerry MJ, et al. Real-life use of the PEXIVAS reduced-dose glucocorticoid regimen in granulomatosis with polyangiitis and microscopic polyangiitis. Ann Rheum Dis. Published online November 20, 2024. doi:10.1136/ard-2024-226339
 
ANCA関連血管炎(AAV)への関連血管炎へのステロイド投与レジメンは、ステロイドプレドニン:PSLなど)1mg/kg/d+Rituximab(RTX)375m^2/kg/w x4回→1週間したところでPSLは急速漸減というのがスタンダードになっている。
  • EULAR2022年推奨…「患者体重に応じてPSL50-75mg/dayで開始し、漸減プロトコル(下図)に準じて漸減→4-5ヶ月でPSL5mgまで減量する
  • ACRエキスパートオピニオン・2021推奨…「平均的な体格の成人の場合、プレドニゾン(PSL)40-60mg/dayで開始→4週までに20mg/day、12週までに10mg/day、16週までに5mg/dayに漸減し、5−6ヵ月で中止が望ましい」
 
この根拠としてはPEXIVASトライアルでPSL急速漸減群(redGCレジメン)がPSL従来漸減群に対してAAV寛解率等に関して非劣性であったという結果である。
 
ただこのPEXIVASトライアルの問題点として以下があった。
  • 主要評価項目には疾患の進行や再発は含まれていない
  • シクロホスファミド(CyC)が主な併用薬であり、RTX投与患者は死亡・PSL漸減群でのESKD(末期腎不全)のリスクが高い傾向にあった
→レトロスペクティブ多施設共同研究でその点を解析した。

好酸球増多病態と血清IgG4値

血清IgG4値高値でIgG4関連疾患疑いとして紹介されてくることは多いが、ほか病態でもIgG4値上昇があることも多い。
その中で忘れがちな鑑別としては以下の2つ
・高ガンマグロブリン血症…Sjögren症候群、多発性骨髄腫、MGUSなど
好酸球増多症…EGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、HES(本態性好酸球増多症)、好酸球性喘息など
IgG4高値症例で好酸球増多には注意