膠原病・リウマチ一人抄読会

膠原病内科の勉強・アウトプットのため、読んだ論文等を投稿していく予定です。間違いがあれば遠慮なくご指摘ください。個別症例相談には応じられませんのでご了承ください。

重症ANCA関連血管炎の血漿交換・ステロイド(PEXIVAS study)

Plasma Exchange and Glucocorticoids in Severe ANCA-Associated Vasculitis
N Engl J Med 2020; 382:622-631
 
重症ANCA血管炎(eGFR<50)に対して、血漿交換/非血漿交換群、通常用量ステロイド群/減量ステロイド群(通常の50%)で比較
→7年フォローし、死亡率・末期腎不全(ESKD)率で比較。
 

 

血漿交換群:352人中100人(28.4%)が死亡
コントロール群:352人中109人(31.0%)が死亡
(hazard ratio, 0.86; 95% confidence interval [CI], 0.65 to 1.13; P=0.27)
サブグループ解析でも同様。
通常ステロイドと減量ステロイド群でアウトカム非劣性
  • 死亡率
    • 通常ステロイド群:83/325(25.5%)
    • 減量群:92/330(27.9%)
      • (absolute risk difference, 2.3 percent- age points; 90% CI, −3.4 to 8.0)
    • →非劣性
  • 重症感染症は減量群で有意に低かった
  • 他のアウトカムは同様
リツキシマブ、経口シクロホスファミド、経静脈シクロホスファミドのどれか+血漿交換/非血漿交換、通常ステロイド/減量ステロイドを割り振った
    • 特に差なし
    • 血漿交換の有無でアウトカムに差なし
    • 死亡・ESKD率変わりなし
 
血管炎による肺胞出血に関しては、これまで血漿交換が推奨されてきた(Am J Kidney Dis 2002; 39:42-7.)。しかし、肺胞出血に関しても本研究では特に差はなかった。
 
結論
→今後の重症血管炎治療は減量ステロイド + リツキシマブorシクロホスファミド となる?