膠原病・リウマチ一人抄読会

膠原病内科の勉強・アウトプットのため、読んだ論文等を投稿していく予定です。間違いがあれば遠慮なくご指摘ください。個別症例相談には応じられませんのでご了承ください。

2024-01-01から1年間の記事一覧

全身性強皮症の心病変

全身性強皮症(SSc)の臓器病変としては、肺(間質性肺炎)、腸(SIBO: 小腸内細菌増殖症)が代表例。ただ心病変もそこそこの頻度で見られる。ただ心病変は案外多い割には注目されにくい。 理由としては 病態がとにかく多彩 進行例でない限りわからないこと…

血管ベーチェット病

血管ベーチェット病は非常に難しく、その要因として個人的には3つ挙げたい。 動静脈・血管径問わず様々な病変を起こすため、病変が多彩すぎる ベーチェット病自体確たる診断方法がないのに、血管型に関しては更にあやふやな部分が多く、確定診断が非常に困難…

SLEの眼症状

SLE

Clin Exp Med. 2018;18(2):135-149. SLEの稀な症状として眼病変があるが、詳しくまとめてみる ctd-gim.hatenablog.com SLE患者の約3分の1に眼病変があるとされ、病変部位は様々 SLEの初発症状が眼症状という報告は多々ある 眼窩周囲、付属器、眼球、視神経等…

関節リウマチレビュー(BMJ/Lancet)

Lancet. 2023;402(10416):2019-2033. BMJ. 2024;384:e070856. RAのレビューが相次いで5大ジャーナルから出ていたので、基礎事項確認としてまとめ ◎病態 ◎抗体 ◎臨床症状 ◎治療 Methotrexate Hydroxychloroquine※日本では適応外 ※日本では適応外

炎症性腸疾患の肺病変

炎症性腸疾患(IBD)の腸管外症状は多彩で、ぶどう膜炎・脊椎関節炎などが代表例である。たまに肺病変を起こすこともある。 肺病変パターンは気管支病変・器質化肺炎が頻度的には多く、薬剤性との鑑別が重要。 ◎肺病変分類 ◎診断 ◎薬剤性とIBD肺病変の鑑別 ◎…

自己免疫疾患へのCAR-T療法文献まとめ(2023年度)

難治性自己免疫性疾患へのCAR-Tへの論文がこの3ヶ月大量に出ているので備忘録として、以下列挙。

筋限局血管炎

筋肉には豊富な血管があり、血管炎病変になることが偶にある。まとまった報告はなかったが、自分なりにまとめてみた ポイント 筋限局血管炎は「原因不明の下肢痛+炎症反応高値だが、筋炎と違ってCK正常」というのが典型例 様々な血管炎で起こりうるが、特に…