膠原病・リウマチ一人抄読会

膠原病内科の勉強・アウトプットのため、読んだ論文等を投稿していく予定です。間違いがあれば遠慮なくご指摘ください。個別症例相談には応じられませんのでご了承ください。

2023-01-01から1年間の記事一覧

RA-ILDレビュー(A&R)

Arthritis Rheumatol. 2023;75(12):2067-2077. https://acrjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/art.42640 関節リウマチ(RA)に合併する間質性肺疾患はRA-ILDと総称され、高頻度かつ死亡の重大リスクとして知られている。 画像パターンとしては通…

ANCA関連血管炎維持療法のRTXの指標はANCAとB細胞数どちらが良いか?(MAINTANCAVAS study)

Maintenance of remission of ANCA vasculitis by rituximab based on B cell repopulation versus serological flare: a randomised trial | Annals of the Rheumatic Diseases Annals of the Rheumatic Diseases Published Online First: 11 December 2023…

壊疽性膿皮症+全身症状:PAPA,PASH,PAPSH症候群

Am J Clin Dermatol. 2017;18(4):555-562. 壊疽性膿皮症(Pyoderma gangrenosum: PG)は通常皮膚潰瘍症状として出現するが、全身症状を起こす一群がいる。自然免疫機能障害に伴う自己炎症スペクトラム疾患的な患者群がおり、それぞれPAPA,PASH,PAPASH症候群…

SLE合併妊娠のエキスパートオピニオン(ACR)

SLE

Tarter L, Bermas BL. Expert Perspective on a Clinical Challenge: Lupus and Pregnancy. Arthritis Rheumatol. Published online November 17, 2023. doi:10.1002/art.42756 ACRのエキスパートオピニオンシリーズ。 ●ポイント SLE合併妊娠はSLEフレア・母…

ACR2023内容備忘録

アメリカリウマチ学会ACR2023(https://rheumatology.org/annual-meeting)で印象に残った内容を備忘録としてまとめておく。 【RA】 【SLE】 【血管炎】 【間質性肺炎】 【その他】

二次性偽痛風の鑑別リスト

ピロリン酸カルシウム結晶沈着症(CPPD、偽痛風)のリスクとしては加齢・変形性関節症(OA)・過去の関節外傷・薬剤(利尿薬など)が有名だが、特異的疾患・家族性のものもあり、いわゆる「二次性偽痛風」とされる このため、60歳以下の偽痛風では二次性偽痛…

シェーグレン症候群の診断精度向上へのアプローチ

Baer AN. IMPROVING THE DIAGNOSTIC APPROACH TO SJÖGREN'S DISEASE: A NINETY-YEAR QUEST. Arthritis Rheumatol. 2023;10.1002/art.42735. doi:10.1002/art.42735 SjD(シェーグレン症候群/シェーグレン病)の診断はなかなか難しい。 Sicca症状(腺症状)は…

Dupilumabのリウマチ科的な副作用

Dupilumab(デュピクセント®)はIL-4,13阻害薬で、2023年現在アトピー性皮膚炎・気管支喘息・鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に適応が通っている。このためリウマチ科以外(呼吸器内科・皮膚科・耳鼻科)で頻用されるバイオ製剤となるが、なぜかリウマチ科にコンサル…

2023EULAR SLE推奨

SLE

Ann Rheum Dis. 2023;ard-2023-224762. ard.bmj.com EULAR2023で公表されていたSLE推奨が論文化。 それほど新規性はないが個人的に気になったポイントは以下の通り ステロイドは初期用量から中等度ステロイド許容という記載あり ステロイド減量目標が7.5mg→5…

EGPAの腎病変

Front Med (Lausanne). 2023;10:1244651. EGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)における腎病変は稀ではあるが、重症例が多い。 Five factors scoreでも腎病変は入っており、EGPA腎病変は重症例としてカウントされる。 1996年Five factors score…蛋白尿(>1g/…

再発性リウマチ性多発筋痛症に対してのSarilumab

N Engl J Med. 2023;389(14):1263-1272. リウマチ性多発筋痛症(PMR)はステロイド単剤治療が可能なリウマチ性疾患ではあるが、ステロイド漸減中によく再発する。 その再使用する薬剤としては、Methtrexate(MTX)・Tocilizumab(TCZ)(保険適応外)があり…

リウマトイド血管炎

Autoimmun Rev. 2023;103391. リウマトイド血管炎(Rheumatoid vasculitis: RV)は、RAの関節外症状として有名だが、RA治療の改善とともに減少傾向にある。 ただ、多彩な臓器症状・鑑別疾患の多彩さ・治療の難しさなど難しい例も散見される。治療としてはRit…

ループス腎炎の治療推奨 (GLOSEN)

Clin Kidney J. 2023;16(9):1384-1402. https://academic.oup.com/ckj/article/16/9/1384/7084031?login=true Spanish Group for the Study of Glomerular Diseases (GLOSEN)からの推奨。ループス腎炎は病型・治療薬が多く、エキスパートオピニオンが推奨に…

痛風への尿酸降下薬使用時、コルヒチン併用に意味はあるのか?

Ann Rheum Dis. 2023;ard-2023-224731. 痛風の慢性期治療・再発予防として尿酸降下薬を行うが、急激な尿酸値の低下が痛風再燃(フレア)に繋がりうるということはよく知られている。 痛風患者に対して尿酸降下療法を実施する際、3-6 か月間抗炎症薬予防内服…

シェーグレン症候群に伴う腎症状

シェーグレン症候群の腎症状は、間質性腎炎の他尿細管異常による電解質異常など多彩。発覚した頃には不可逆的になっていることも多く、治療は非常に難しい。 シェーグレン症候群による腎症状は比較的稀と思われるが、報告によってまちまち(4-33%程度) 無症…

EGPAへのBenralizumab

Benralizumab for eosinophilic granulomatosis with polyangiitis [published online ahead of print, 2023 Aug 7]. Ann Rheum Dis. 2023;ard-2023-224624. doi:10.1136/ard-2023-224624 Benralizumab(ファセンラ®)は、好酸球除去能力が非常に高いIL-5α受…

EGPAへの推奨(Nature Review)

Nat Rev Rheumatol. 2023;19(6):378-393. 多発血管炎性好酸球性肉芽腫症(EGPA)の診断・治療へのエビデンスベースの推奨。大体EULAR・ACRの推奨とほぼ同じ内容。 ctd-gim.hatenablog.com ctd-gim.hatenablog.com ◎包括原則 ◎Statement ◎EGPA治療アルゴリズム

CPPDの新分類基準(2023ACR/EULAR)

Ann Rheum Dis. 2023;ard-2023-224575. CPPD(calcium pyrophosphate deposition disease: ピロリン酸カルシウム沈着症/偽痛風)の新規分類基準が発表された。 6か国の13施設のリウマチ専門医が418人の患者プロファイルを提出→コホートを作成して、その特徴…

低用量ステロイドと骨粗鬆症

Arthritis Rheumatol. 2023;10.1002/art.42529. 骨粗鬆症はステロイドの代表的な副作用であるが、低用量であった場合どれくらいリスクが上がるか?ということは案外わかっていない →骨折リスクの高い女性患者に対するイタリアのデータベース(DeFRA)を元と…

好酸球増多症とEGPA

Mayo Clin Proc. 2023;98(7):1054-1070. 好酸球増多症(HES)と好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は好酸球増多+臓器症状を起こす疾患で、その2つは未分化な場合がある ポイント 好酸球数の増加は、HESやEGPAによるものである場合がある HESまたはEGPA患…

不明炎症へのPET-CTは診断に有用か?

Clin Rheumatol. 2023;10.1007/s10067-023-06673-x. 不明熱診断の切り札としてPET-CTがあるが、自費検査である点に加えて必ず診断がつくわけではないという問題がある 不明炎症患者へのPET/CTの結果を後ろ向きに分析→PET/CTの鑑別診断の価値を予測する要因を…

ANCA関連血管炎における寛解導入後の蛋白尿・血尿持続は再発と関連する

Kidney Int. 2023;103(6):1144-1155. 寛解導入療法終了時(治療開始から4-6ヶ月後)に採取したスポット尿の蛋白尿・血尿と、死亡/腎不全の複合エンドポイント・再発との関連を見た研究 ANCA関連血管炎(AAV)の腎病変は、慢性腎臓病に進展することが多く、生…

レイノーミミック

レイノー現象でコンサルを受けたときのポイントとしては、 ①レイノー以外に膠原病疑う所見がないか ②本当にレイノー現象か?…二相性変化(赤→白→青)、寒冷曝露で惹起されるか、爪上皮血管異常を伴うか の2点が重要となる。特に多いレイノーミミックは一次性…

85歳以上の高齢者の巨細胞性動脈炎をどう治療すべきか?

Semin Arthritis Rheum. 2019;49(2):288-295. 巨細胞性動脈炎(GCA)患者コホートで85歳以上のGCA発生頻度・特徴・臨床転機を見てみた研究 大血管炎は巨細胞性動脈炎・高安動脈炎の2つがあり、巨細胞性動脈炎は高齢者・高安動脈炎は若年者に発症する。 放置…

関節リウマチにおける好中球減少

RA患者における好中球減少はコモンな現象だが、鑑別は多彩。特に薬剤性・Felty・LGL白血病に注意が必要。 早期関節リウマチにおける頻度…771人中58人(7.5%)で77件の好中球減少症エピソードあり。 好中球減少リスク…非喫煙、女性、ベースライン好中球値低…

治療抵抗性PsA

https://link.springer.com/article/10.1007/s10067-023-06605-9 D2TRAならぬD2TPsAという概念を提案したレビュー ◎D2TPsA基準 ◎管理方法

ANCA力価とANCA関連血管炎の診断

RMD Open. 2023;9(2):e003113. ANCAはANCA関連血管炎(AAV)の診断に重要だが、非常に偽陽性が多い。その時の力価が高いとAAVの可能性が高くなる、という論文。 AAVの診断で最も重要なのは組織診断による小血管炎の証明だが、組織診断が困難なことも多い。そ…

2023年PsAバイオ/JAK薬価早見表

薬価は厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/topics/2023/04/tp20230401-01.html)参照。 2023年注目ポイント TNF阻害薬は全体的に値下がりし、バイオシミラーは特に安くなった TNF阻害薬以外はほぼ変化なし。 赤字が薬価改定あった部分 ①TNF阻害薬 ②IL-17…

2022年EULAR ANCA関連血管炎治療推奨

Ann Rheum Dis. 2023;ard-2022-223764. 欧州リウマチ学会(EULAR)の方でもANCA関連血管炎(AAV)の推奨が更新された。 個人的な注目ポイント 重症AAVにはステロイド+ RTX or CyCの併用を推奨(4) 非重症AAVであってもステロイド+RTXを推奨し、維持療法もRT…

2023年RAバイオ/JAK薬価早見表

薬価は厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/topics/2023/04/tp20230401-01.html)参照。変更あった部分は赤字で記載。 2023年注目ポイント TNF阻害薬は全体的に値下がり。エタネルセプトBS・アクテムラ点滴共に1.5万円/月となった。 アクテムラ点滴が大幅…