SGLT2阻害薬は糖尿病への薬剤というだけではなく、心疾患・腎疾患への有用性が報告されている。さらには痛風などのリウマチ性疾患への有用性も報告され続けており、最近の論文をまとめてみた。
①痛風
メカニズム…尿酸排泄の増加、尿酸再吸収の減少、抗炎症効果
◎痛風一次予防
◎痛風二次予防
- 糖尿病有無にかかわらずSGLT2阻害薬使用した患者の血清尿酸値解析(Ther Adv Chronic Dis. 2022;13:20406223221083509.)
- 糖尿病有無にかかわらずSGLT2阻害薬使用した患者において、血清尿酸値は低下する
- 非糖尿病患者・非CKDでは低下値が大きい
◎偽痛風(CPPD)
SGLT2阻害剤についての言及は現状なし
②膠原病腎
蛋白尿陽性CKD患者におけるSGLT2阻害薬の有用性はDAPA-CKD等で立証されている(N Engl J Med. 2020;383(15):1436-1446.)。ただ臨床試験では膠原病腎は除外されている。
- おそらくは腎炎後の残存したCKDに対しては有用と思われるが、腎炎そのものに有用かどうかまでは不明
◎ループス腎炎
KDGIOガイドラインにおいて、CKD管理として以下の言及あり(Kidney Int. 2024;105(Suppl 1S):S1-S69.)
- 減塩食、血圧最適化
- AKIのない安定した患者への腎保護薬…RAS遮断薬、SGLT2阻害薬
- 腎毒性障害の回避
- AKIの予防
EULAR推奨には言及は現状ないが、データは出つつある→患者と相談の上検討する(Ann Rheum Dis. Published online April 5, 2024. doi:10.1136/ard-2024-225563)
- マウスレベルでの有用性報告・ケースレポートレベルではいくつか存在する
- 第Ⅰ/Ⅱ相試験では38例中8例で投薬中止に至った有害事象あり、注意(RMD Open. 2022;8(2):e002686.)
◎ANCA関連血管炎
- 現状ループス腎炎以上にデータなし