1.はじめに
関節診療における関節エコーは大きなウェイトを示しつつあり、診断だけでなくエコーガイド下関節注射・ハイドロリリースなどにも役立てることができる。
関節エコー・注射は好きなのだが、外勤先・ベッドサイドで気軽に行えないのが難点であり、関節エコーに耐えうるクオリティを持ったエコーがそもそも少ないのが実情
「Clarius」という関節エコーを買ったので報告がてらレビュー。非常にいいです。
2.どのエコーを選ぶか?
1.MIRUCO
色々自分で探したが、日本で販売している「筋骨格エコー」がそもそも少ない。
日本から買える候補としてMIRUCOがあった。
「運動機能診療に使える」ということなのでデモ機をレンタルしてみたが、見送り。
理由としては
2.Clarius
色々調べると、海外には候補がいくつがあった。
うち、Clariusが多くのポータブルエコーを販売しており、その中に筋骨格エコーが数種類ある(https://clarius.com/msk/)
プロモーション動画:
※アプリ:
デモ機は日本在住では借りられなかったので、意を決してアメリカの友人を介して購入することにした
3.購入
値段を調べてみると以下の通り(https://store.clarius.com/collections/frontpage/msk?fbclid=IwAR1uTjrqrEQMLAEFdP2ywnQ0rvZ0q5nhaIBkglS0A32IRzl4p7taJF-co9I#MainContent)
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L7,L15,L20がMSK(筋骨格)エコー用途として用意されている
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簡単に解説すると、L●の数値が周波数を表し、●の数値が小さいと深部まで観察可能だが解像度は低め
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指関節含めた診察が可能で”Rheumatology"向けとされているのはL15またはL20で、L20の方が高価
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後悔したくなかったので、L20を購入することとした
オプションとして保証期間延長・機能追加等があったが、”Needle Enhance"に惹かれたのでそのオプションを付けて購入
4.購入〜到着
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エコー本体($7,900)+輸送費を海外の友人に立替えてもらい購入→2-3週間後に到着しました
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箱と中身。結構でかい
5.使用
想像以上に見やすい
①ゼリー
②自分
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手関節(手背)
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PIP関節
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頚動脈・静脈ドップラー(深呼吸あり)
パワードップラーもあり、実臨床では大活躍してます
- 手関節腱鞘炎(患者には許可とっています)
データは全てCloudに残るので保管も簡単
6.感想
良い点
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予想以上にきれいに見える
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起動も素早く、エコーを見ようと思ったらすぐに準備可能
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外勤先・病棟などエコーを持っていくには大変なところでも簡単にできる
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肩甲上腕関節注射(GH注射)やエコーガイド下ハイドロリリースといった手技も非常に容易
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画像が残るので、エコー所見を他の人に共有しやすい
悪い点
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L20の場合、深い部分が少し見にくい(※最大4cmまでしか見えない)
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高い。落としたらどうしようかと気が気でない
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でかい。ずっと持っていると手が疲れる
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バッテリーの持ちはそれほど良くなく、長時間の使用で発熱してくる
7.総評
高価だがその価値はある、と思わせてくれます。エコーはやっぱり当てないと上手にならないので、手軽にできるというのがいい。
興味ある方は僕と一緒にポータブル関節エコーしましょう。
(※購入に関しては自己責任でお願いします)