Rheumatology (Oxford). 2021;keab151.
“Should we use glucocorticoid in Early Rheumatoid Arthritis? : Results at 5 years from the ERA UCLouvain Brussels cohort."
関節リウマチに対してのステロイドの立場とは結構微妙であり、RAに対しての最新のACR推奨では以下のようになっている
中〜高疾患活動性の場合
→短期であっても基本的にはステロイドを併用しないことが推奨されている
結論としてはどちらとも言えないが、
ということは覚えていたほうがよさそう
Method
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ACR/EULAR2010年基準を満たし、csDMARDsにナイーブだった患者
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治療内容は上級リウマチ専門医が決定
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治療開始1年目はステロイド漸減・中止を推奨
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Exposure:ステロイド投与あり(PSL2.5-10mg/day)
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Comparison:ステロイド投与なし
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Outcome
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ベースラインの評価:RA診断時の年齢、性別、RAの家族歴、喫煙の有無、リウマチ因子(RF)、抗CCP抗体の有無、Xpでの骨破壊・関節腔狭小化の有無、関節の圧痛・腫脹の数、CRP、DAS-28CRP、CDAI、SDAI、VAS、HAQ
結果
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474例中、180例がステロイド併用・294例がNSAIDs・鎮静薬をcsDMARDsと併用
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ベースライン
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2群で疾患活動性はほぼ同等
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5年間の追跡調査
Discussion
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ただ、前述したACR推奨からも読み取れるように、「限られた症例」に「短期間使う」という以上の使用法は勧められていない
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どういう患者でステロイドを使っていて、その後どうなっているか?というのは案外研究されていない→本研究が初めて?
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limitation
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所詮は後ろ向き研究
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ステロイド開始はリウマチ専門医・患者によって決定されており、全く均一化されていない
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無作為化はなし
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→早期関節リウマチに対しての最善の治療法の定義はできない…
感想
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どういう関節リウマチにステロイドを使うか?というのはかなり医師によって異なるため、均一化できない
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自分としてはなるべくステロイド関節注射で対応し、注射では対応できないくらい疾患活動性悪い+治療方法が相当に限られる例(MTX使えない/bioが金銭的に無理など)にだけ限定的に入れているが…
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高齢者・喫煙者・MTX非使用例ではステロイド導入多いというのは、「他に治療法がないから」という理由で非常に頷ける
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CRP高値・ACPA陽性はわからんでもないが、疑問符がつく…
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いずれにしろRAにおけるステロイドの使用法は
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「限られた症例」に「短期間使う」
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どうしようもない時にリスク覚悟で使う という2パターン以外あってはいけないのだろう…