膠原病・リウマチ一人抄読会

膠原病内科の勉強・アウトプットのため、読んだ論文等を投稿していく予定です。間違いがあれば遠慮なくご指摘ください。個別症例相談には応じられませんのでご了承ください。

免疫チェックポイント阻害薬使用中の炎症性関節炎への対応

Oncologist. 2017;22(6):627-630.
免疫チェックポイント阻害薬による有害事象(irAE)は様々あるが、有名なものとして自己免疫性慢性炎症性疾患(autoimmune chronic inflammatory diseases: ACIDs)がある。
 

 

一覧は以下の通り(Clin Immunol. 2020;214:108395.
全身性自己免疫性疾患
臓器関連自己免疫性疾患
炎症性関節炎(ACPA・RF陽性例は少数)
リウマチ性多発筋痛症(PMR)
血管炎
Sicca症候群(大半は抗核抗体陰性)
サルコイドーシス
強皮症様症状
筋炎(特異的抗体陰性例が大半)
神経…ニューロパチー、Guillain-Barré症候群、重症筋無力症、脱髄性多発神経炎
心臓…心筋炎
内分泌…下垂体炎、甲状腺炎、糖尿病
消化器…大腸炎、肝炎、膵炎
腎臓…間質性腎炎
皮膚…乾癬、類天疱瘡、白斑、Sweet症候群
特に多いのは関節炎・PMR
irAEにおける関節炎の頻度としては1%程度とされており、あまりまとまったデータはない
 
アルゴリズムとして提唱されているのは以下の通り

 
症例も少なく、まとまった研究はない。
重症度に合わせてNSAIDsまたはステロイド→症状改善なければ免疫療法自体を中止する、というシンプルな対策しか現状なさそうではある…