末梢性脊椎関節炎の診断基準は以下の通り
順序としては
-
問診での症状絞り出し
-
身体所見
-
再度既往聴取
-
検査
という順番。
①問診
まず必要なのは臨床症状
-
末梢関節炎
-
SpA患者のほとんどに存在する。SpAの末梢関節炎は慢性経過で、下肢(特に膝と足関節)に多い。70%は非対称性。(Ann Rheum Dis 2011; 70:25.)
-
付着部炎
-
腱付着部の炎症で、SpAに比較的特異的な症状。末梢関節炎よりは少ないが、50%程度に存在する。(Best Pract Res Clin Rheumatol 2006; 20:473.)
-
特に多いのはアキレス腱・足底筋膜靭帯付着部炎。
-
アキレス腱付着部炎がある患者は素足でかかとを使って歩行することが困難で、付着部に圧痛があることが多い。(腫脹はない)
-
指趾炎
-
以前の記事参照。PsAに多い所見と言われている。
-
+「炎症性の背部痛」(の既往)
-
通常は軸関節性SpAの特徴だが、末梢性SpAにも「既往」であれば診断基準項目の一つとなる。
-
特徴としては
-
潜行性発症
-
40歳以前の発症
-
運動で改善
-
休息では改善しない
-
夜間の痛み のうちの4/5を満たす必要がある。(Curr Rheumatol Rep 2006; 8:338.)
②身体所見
-
関節炎:ルーチンの関節所見
-
Sacroiliac Joint Disorder,2018:55-80
-
脊椎可動域
-
SpAは足関節・膝関節といった「下肢大関節の症状」が多いので注意
-
付着部炎:アキレス腱付着部・足底腱膜の圧痛
-
指趾炎:特に足趾に多いので必ず靴下を脱がせて診察
-
皮膚:SpAにおける皮膚症状は多岐にわたるので、あれば皮膚科に相談
③既往歴の再確認
ここまで来てSpAを細分化していく
-
家族歴:第二親等までに以下があれば陽性(Ann Rheum Dis 2011; 70:25.)
-
強直性脊椎炎
-
乾癬
-
急性ぶどう膜炎
-
反応性関節炎
④検査