末尾MKSAP正答率81%。
Q.足趾の痛み、診断は?
(ほぼ同様画像を末尾記載のHPから引用)
A. 指趾炎(dactylitis)、別名「ソーセージ指」
屈筋腱・隣接する軟部組織の炎症によって指全体の腫れとして表現される。この画像では左第4指・右第3指の腫脹が目立つ。
この症例の場合、関節エコーを実施すると、伸筋腱滑膜肥厚及びパワードップラー陽性あり⇨伸筋腱滑膜炎
指趾炎の鑑別としては
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脊椎関節炎(乾癬性関節炎など)
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反応性関節炎(梅毒など)
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サルコイドーシス
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鎌状赤血球症(小児期)
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軟部組織感染症 が挙げられる。(画像は乾癬性関節炎の症例)
各疾患での指趾炎の特徴は以下の通り(Semin Arthritis Rheum. 2018 Oct;48(2):263-273. より引用)
特に重要なのは、指趾炎は「末梢性脊椎関節炎」(peripheral SpA)の分類基準の一つとなっており、その中ではPsA(乾癬性関節炎)で(かなり)特異的に見られる。
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末梢性脊椎関節炎診断基準
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up to date的には(根拠不明だが)、末梢性脊椎関節炎においてPsA以外での指趾炎はの患者ではまれとのこと。( https://www.uptodate.com/contents/treatment-of-peripheral-spondyloarthritis?search=dactylitis&source=search_result&selectedTitle=1~58&usage_type=default&display_rank=1#H3576222611 2019/12/13閲覧)
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指趾炎の頻度はPsA全体の16〜49%。(Semin Arthritis Rheum. 2018 Oct;48(2):263-273.)
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⇨指趾炎を見たら「皮疹」を始めとしたSpAを見逃さない診察が重要
まとめ
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指趾炎には乾癬性関節炎などの特徴的な鑑別がある。
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特に気をつけるべきは「皮疹」を始めとした所見を漏らさず取ることである。