Coates, L.C., Soriano, E.R., Corp, N. et al. Group for Research and Assessment of Psoriasis and Psoriatic Arthritis (GRAPPA): updated treatment recommendations for psoriatic arthritis 2021. Nat Rev Rheumatol (2022). https://doi.org/10.1038/s41584-022-00798-0
乾癬性関節炎(PsA)の推奨としてはEULAR・ACRの他、乾癬研究の国際団体GRAPPA(Group for Research and Assessment of Psoriasis and Psoriatic Arthritis)からのものもあり、ドメイン別になっているので参考となる。
その治療推奨が2015年以来に改訂された。
主な変更点として以下が挙げられる
-
JAK阻害薬が推奨に新規登場
-
IL17i、IL23i、および JAKi を複数のカテゴリで強く推奨(NSAIDsの次はどれでも良くなった)
-
標準的な「ステップアップ」アプローチだけでなく、迅速な治療強化も推奨に入った
-
PDE4i の推奨事項は、付着部炎、指炎、爪の PsOに拡大
-
「治療は患者固有のドメインを中心に行い、意思決定の共有を重視する」という一文が強調された
正直治療方針を変えるようなものでもないが、まとまって見やすいので紹介。
◎PsAに対しての治療薬推奨一覧
※MTX: メトトレキサート, SSZ: サラゾスルファピリジン, LEF: レフルノミド, CsA: シクロスポリン, ETN: エタネルセプト, IBD: 炎症性腸疾患, IL-12/23i: IL-12/23阻害薬, IL-17i: IL-17阻害薬, IL-23i: IL-23阻害薬, JAKi: JAK阻害薬
◎PsA治療スキーム
※太字は強い推奨
変更点ポイント
-
末梢関節炎…すべての薬剤がほぼ並列
-
軸性病変…IL-12/23iは推奨から外れた
-
付着部炎…変化なし。MTXは条件付き推奨へ。
-
Dactylitis…MTX・bDMARDs並列へ
-
皮膚乾癬・爪乾癬…ほぼ全て並列
-
IBD…IL-17i, ETNは避けることを推奨。その他は並列。
-
ぶどう膜炎…ETNは避ける(悪化リスクあり)
◎合併症がある場合のPsA治療薬推奨
以上を組み合わせて治療を組み合わせることとなる
薬価のほうが大きなハードルとなることが多いが…