膠原病・リウマチ一人抄読会

膠原病内科の勉強・アウトプットのため、読んだ論文等を投稿していく予定です。間違いがあれば遠慮なくご指摘ください。個別症例相談には応じられませんのでご了承ください。

 画像問題:踵痛

 中年女性、右踵の痛み。視診上以下の通り

 

 

 

 

A.アキレス腱付着部炎⇨SpA疑い

(画像:Orthopedic Surgery Clerkship pp 729-734)

 

 

SpAは下肢の付着部炎が多いが、その中でも最も頻繁に見られるのは踵の腱付着部炎である。(Best Pract Res Clin Rheumatol. 2006 Jun;20(3):473-86.)

  • 腱付着部炎は腱付着部付近の様々な組織(靭帯、腱、関節包、筋の骨付着組織)全体の炎症となっており、その変化は画像所見に現れるが、炎症所見が身体所見としても現れうる(Arthritis Rheumatol. 2016 Feb; 68(2): 312–322.)

    • ※頻度に関しては調べたが不明

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画像所見(J Rheumatol. 2003 Apr;30(4):774-8.)

  • MRIT1:アキレス腱付着部信号変化+肥厚⇨アキレス腱付着部炎

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  • US(アキレス腱付着部縦断像):付着部の肥厚、石灰化(白矢印)

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    • エコー所見として報告されているのは

      • 腱の正常な線維エコーテクスチャー消失(100%)

      • 腱辺縁の不鮮明化(56.2%)

      • 不規則な紡錘状の肥厚(84.3%)

    • カラードップラーも有効で、付着部の血流シグナルとして現れる。(Clinical and Experimental Rheumatology 2011; 29: 642-649)

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まとめ

  • アキレス腱付着部炎の所見として皮膚所見が出うる。

  • アキレス腱付着部炎を見たら、画像検索・SpAの鑑別を進める。