Nail changes in connective tissue diseases: do nail changes provide clues for the diagnosis? J Eur Acad Dermatol Venereol. 2007 Apr;21(4):497-503.
膠原病患者の爪所見のまとめのなかで、案外まとまっていたので紹介。
膠原病患者の爪の変化は結構な頻度で起こっており、診断に役立つかもしれないが「何が多いか」はよくわかっていない
ただ唯一の所見である可能性があるため、注意して見る必要がある
患者/方法
膠原病患者190人の爪をフォローした研究
結果
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爪の変化に関しては以下の通り
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SLE…爪甲紅斑、線状出血、毛細血管ループ、爪甲菲薄化、爪周囲紅斑が他群より多い
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線状出血は疾患活動性
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RA…線状出血、爪の赤半月、爪の白濁化が多い
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SSc・PM/DM…線状出血、毛細血管ループが多い
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SSc…爪の縦方向・横方向への湾曲科、爪の白濁化が多い
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ただすべて感度は低く、特異度は比較的高い
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表:爪所見と膠原病
Discussion
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リウマチ性疾患への爪病変は見落としがちだが、よくあるので早期診断に役立つかもしれない
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特にSLEは爪病変頻度が難い
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SScに関しては毛細血管ループが有名だが、線状出血も多い
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ただ、どの所見も膠原病以外によっても起こりうるので注意
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例)線状出血→亜急性細菌性心内膜炎、僧帽弁狭窄症、慢性糸球体腎炎、血管炎、旋毛虫症、肝硬変、壊血病、乾癬、外傷など
感想
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膠原病がは爪からわかることは時々あるが、毛細血管ループ以外はあまり気にしていなかったので、覚えていくといいかもしれない
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ただどれも非特異的な所見でなので、あくまで「補助」の域は出ない