RAに伴う肺病変として有名なものは間質性肺炎(RA-ILD)があるが、他の病変もある。
代表的なものとして
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リウマチ結節
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上気道/下気道病変
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胸膜炎
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胸水
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肺高血圧
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免疫抑制に伴う感染症 が挙げられる。
そのなかの一つが「閉塞性細気管支炎」である。
閉塞性細気管支炎(Bronchiolitis Obliterans : BO)は、細気管支の進行性の同心円状の狭窄を特徴とする気管支炎で、指定難病になっている( http://www.nanbyou.or.jp/entry/4721)。
吸入薬で改善しない気流制限・呼吸困難が特徴的で、労作時呼吸困難・咳嗽が症状となる。
自己免疫性疾患及び薬剤性の他、ウイルス性の気道感染・金属ヒュームの吸入等が原因となる。
リウマチ治療薬で原因として多いのは、D-ペニシラミン、金製剤、サラゾスルファピリジン。
(藤田学園医学会誌 2015 Vol39. No.1 1-11より引用)
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CT:両肺の血管狭小化を伴った濃度低下、気管支拡張と壁肥厚、モザイクパターン・air-trappingが特徴的。
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呼吸機能検査:閉塞性障害、DLCOに関しては正常or低下
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胸部レントゲン:通常or過膨張
治療
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まず原因薬剤の中止…D-ペニシラミン、金製剤、サラゾスルファピリジン
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有効性は不良とされているが、免疫抑制…ステロイド、MTX、シクロホスファミドなど
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マクロライド長期投与も検討
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進行例には肺移植も検討
また、肺炎球菌及びインフルエンザワクチンは推奨。
1秒率の低下が見られることが多いが、予後に関しては比較的良好。(BMC Pulm Med。2018; 18:105)
up to date "Overview of lung disease associated with rheumatoid arthritis"2019/10/22閲覧 を参考に作成。
まとめ
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RAに関連する肺疾患は間質性肺炎だけでなく下気道病変もある。
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その内の一つに閉塞性細気管支炎(BO)があり、注意が必要。