Arthritis Rheumatol. 2022;10.1002/art.41986.
Arthritis Rheumatol. 2022;10.1002/art.41983.
Arthritis Rheumatol. 2022;10.1002/art.41982.
ACR(アメリカリウマチ学会)/EULAR(ヨーロッパリウマチ学会)合同でのANCA関連血管炎の新分類基準が出たので紹介
いつものことだがあくまでも「分類基準」であっても「診断基準」ではない
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あくまでも研究用の基準。他血管炎と区別することを目的としており、診断を確立させる目的ではない
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血管炎を模倣する疾患(ミミック)除外が前提条件
ただ内容から「ANCA関連血管炎らしさ」を知るという意味で役立つ
- ①多発血管炎性肉芽腫症(GPA)分類基準(Arthritis Rheumatol. 2022;10.1002/art.41986.)
- ②顕微鏡的多発血管炎(MPA)分類基準(Arthritis Rheumatol. 2022;10.1002/art.41983.)
- ③好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)(Arthritis Rheumatol. 2022;10.1002/art.41982.)
- 【感想】
①多発血管炎性肉芽腫症(GPA)分類基準(Arthritis Rheumatol. 2022;10.1002/art.41986.)
GPA分類基準
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基準適応前の前提条件
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臨床基準
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点数
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+3
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+2
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+1
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検査・画像・生検基準
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+5
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+2
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+2
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+1
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+1
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-1
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-4
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10項目の合計点が5点以上の場合、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)と分類
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◎感度分析
検証用のGPA患者群に適応した場合…感度92.5%、特異度93.8%
データベースからランダム選択したGPA患者群に適応した場合…感度94.6%、特異度83.8%
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GPA旧分類基準(1990年ACR分類基準)の場合、感度69.3%、特異度75.8%
②顕微鏡的多発血管炎(MPA)分類基準(Arthritis Rheumatol. 2022;10.1002/art.41983.)
MPA分類基準
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基準適応前の前提条件
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臨床基準
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点数
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-3
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検査・画像・生検基準
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+6
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+3
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+3
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-1
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-4
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◎感度分析
検証用のMPA患者群に適応した場合…感度90.8%、特異度94.2%
データベースからランダム選択したMPA患者群に適応した場合…感度82.4%、特異度92.5%
③好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)(Arthritis Rheumatol. 2022;10.1002/art.41982.)
EGPA分類基準
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基準適応前の前提条件
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臨床基準
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点数
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+3
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+3
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+1
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検査・生検基準
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+5
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+2
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-3
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-1
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◎感度分析
検証用のEGPA患者群に適応した場合…感度84.9%、特異度99.1%
データベースからランダム選択したEGPA患者群に適応した場合…感度75%、特異度99%
【感想】
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血管炎の分類基準はACR1990年、日本厚生労働省基準などが使われていた
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今回のACR/EULAR2022年基準はGPA/MPAともに簡潔な内容になっており、重み付けを行う形となった
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この基準から自分が得た感想は以下の通り
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ANCA陰性Pauci-immune型糸球体腎炎もANCA関連血管炎と診断可能な場合がある
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非典型的症例をカバーしようとしている