膠原病・リウマチ一人抄読会

膠原病内科の勉強・アウトプットのため、読んだ論文等を投稿していく予定です。間違いがあれば遠慮なくご指摘ください。個別症例相談には応じられませんのでご了承ください。

日本人の関節リウマチの罹患関節

”Analysis of the affected joints in rheumatoid arthritis patients in a large Japanese cohort.”
Mod Rheumatol. 2013 Jan;23(1):44-9.
データベース上の6408人のRA患者の分析。
68関節の腫脹圧痛を調べ、罹患した関節の分布・DAS28-ESRによる疾患活動性・疾患期間の関係を分析

 

最も多いのは手関節。
膝・肘・肩等の大関節の圧痛が多く、MCPなどの少関節での腫脹が多い。
疾患活動性が高くなると、罹患関節が多くなるが、分布パターンは変化なし
疾患期間と分布は関連性なし
 
    • RA患者の腫脹/圧痛関節。
      • 手関節が腫脹圧痛とも最多。腫脹は第2-3指MCP、圧痛は大関節に多い
      • 大関節は小関節よりも高い負荷がかかるため、圧痛を受けやすくなる?
    • 発症1年以内のRA患者の腫脹/圧痛関節。ほぼ同様だが、PIP関節腫脹が目立つ
    • DAS28-ESRが高い(疾患活動性が高い)と、罹患関節も増加傾向にある。
    • 活動性によって罹病関節分布は変わらない
    • 罹病期間によっても罹患関節は変わりない。
 
 
(感想)
RAの罹患関節を調べた論文。両手関節+多発PIP腫脹→RAらしい、というのは案外データ上でも正しいということに驚き。他の疾患の分布と比較する必要はあるけど、データから典型例を学ぶ、という点では非常に面白い論文だった。
 
まとめ
  1. RAにおいて、手関節が罹患関節としては最多
  2. 腫脹関節と圧痛関節は一致しない
  3. 罹患関節の分布は活動性と関係ない