血清抗体陰性関節リウマチと陽性関節リウマチの臨床的な違い
Clinical management of seronegative and seropositive rheumatoid arthritis: A comparative study.
PLoS One. 2018 Apr 6;13(4):e0195550.
韓国のRA患者241人(セロネガティブ:SNRA 40人、セロポジティブ:SPRA 201人)を後方解析した。研究デザインは図参照。
解析した要素は
1)年齢などの患者情報
2)ESR・CRP・28SJT(痛みのある関節痛数)・DAS28
3)関節Xp評価
4)治療内容とそれによる症状の改善性
結果:
差なし…ESR・CRP、疾患活動性、画像、DMARDによる従来の治療効果。年齢・性別・疾患期間→大体は差がない
差あり…28 TJC・28 SJC・DAS28等はSNRAの方がSPRAより高かった。また高疾患活動性グループでのDAS28の改善性はSNRAのほうが高かった(治療成績がいい)
discussion:
SNRAはSPRAよりも症状のある関節数が多かったが、RA分類基準的な問題から説明できる。(※抗体陰性のため、罹患関節数が多くないと基準満たしにくい)
SNRAとSPRAは本研究ではXp所見(骨びらんなど)に差がなかったことを考慮すると、SNRAは決してRAのなかでも「良性」に当たるということはなく、SNRAであっても早期治療を心がけるべきである。
(感想)
時々いて「本当にRA?」と思いつつPSLである程度治るが、PMR程は治らない、というのが個人的にseronegative RAに対する印象。ただ、本研究でも言われている通りseronegativeは色んな場所が痛くて血清抗体が陰性なので放置されていたり対症療法が続いていたりして、患者が可哀想になる疾患な気がする。基準にしばられず「これはseronegativeだろう!」と考え早期治療に踏み切れるかどうかが腕の見せ所なんだろうね。