膠原病・リウマチ一人抄読会

膠原病内科の勉強・アウトプットのため、読んだ論文等を投稿していく予定です。間違いがあれば遠慮なくご指摘ください。個別症例相談には応じられませんのでご了承ください。

全身性リウマチ性疾患における抗核抗体検査

Understanding and interpreting antinuclear antibody tests in systemic rheumatic diseases. 
Nat Rev Rheumatol. 2020;16(12):715-726.
 
SLE等の抗核抗体関連リウマチ性疾患を疑った場合、抗核抗体を測定するわけだが、阿蘇の検査法および疾患ごとへの応用についてのレビュー
 
  • 検査方法
    • HEp-2IIF
    • ②solid phase immunoassay(SPAs)
  • 特性
    • HEp-2IIF
    • 表:HEP2-IIFと特異的抗体
    • ②SPA
  • 抗核抗体測定法の組み合わせ
  • 表:疾患ごとの抗核抗体の特定アプローチ
  • まとめ

 

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痛風レビュー

Lancet. 2021;S0140-6736(21)00569-9.
 
  • 痛風は関節等に対して尿酸ナトリウム血症が沈着することで起こる疾患である
  • 高尿酸血症が最大のリスク
  • 治療の中心は長期尿酸降下療法による尿酸結晶の溶解とフレアの予防である
  • 臨床症状
  • 疫学
  • 病態生理
  • 鑑別診断
  • 検査
  • 痛風発作の管理
  • 長期管理
  • 尿酸降下薬
  • 一次予防
  • 治療の現状
  • まとめ

 

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間質性肺疾患合併関節リウマチに対してのアバタセプト単剤vsアバタセプト併用療法

Rheumatology (Oxford). 2021;keab317.
  • 関節リウマチ(RA)に対して間質性肺疾患(ILD)が合併することは非常に多く(3-67%)、心血管イベントに次ぐ死因となる
  • RA-ILD患者への治療には色々議論があるが、イギリス/スペイン等でのガイドラインではアバタセプト(ABA)・リツキシマブ(RTX)が推奨されている
  • ABAは基本はメトトレキサート(MTX)と併用するが、ILD患者にはMTXは使いにくい→実臨床ではRA-ILD患者に対してABA単剤治療となることが多い
→RA-ILDの白人患者対象にABA単剤治療の有効性・安全性をABA+csDMARDs群(ABA併用群)と比較してみた
アバタセプト単剤も併用もRA-ILDに対しての安全性・有用性は同様の模様で、併用群はステロイド漸減に有用かもしれない
 
  • 患者/研究デザイン
  • 結果
  • Discussion
  • 感想

 

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過剰運動症候群/ハイパーモービリティー症候群:Joint Hypermobility Syndrome

Joint Hypermobility Syndrome: Recognizing a Commonly Overlooked Cause of Chronic Pain. 
Am J Med. 2017 Jun;130(6):640-647.
 
最近勉強会に参加していると、「非炎症性関節痛の原因として結構関節の過伸展による疼痛が見逃されている」という話があり、ハイパーモービリティー症候群:関節過可動症候群/過剰運動症候群と定義される。
 
色々調べてみたが、あまり体系的なものはなかった。
比較的新しく充実していたReviewをまとめ
 
  • ①疾患概要
  • ②病態生理
  • ③臨床評価
    • ③-1 問診
    • ③-2 身体所見
    • ③-3 診断基準
    • ③-4 症状
  • ④管理
  • ⑤対応フローチャート
  • ⑦まとめ
  • ⑧感想

 

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全身性強皮症とANCA関連血管炎の合併

“ANCA in systemic sclerosis, when vasculitis overlaps with vasculopathy: a devastating combination of pathologies” Rheumatology (Oxford). 2021;keab278.
 
  • 全身性強皮症(SSc)は、基本的には皮膚を始めとした臓器の「線維化」を起こす疾患であるが、時々他のリウマチ性疾患との合併例が見られる
  • 特にSScとの合併で危険なのがANCA関連血管炎(AAV)→SSc−AAV
    • 肺・腎臓への重度の障害を起こす
→SSc−AAVに関しての文献レビュー
 
Pubmedで1970年−2020年の50年間で224件の論文あり
  • ①SScによる血管障害とAAVの病態
  • ②SScにおけるANCAの疫学
  • ③SSc−AAVの疫学
  • ④SSc−AAVの症状
    • ④-1 腎症状
    • ④-2 肺症状
    • ④-3 末梢血管・皮膚病変
    • ④-4 中枢神経症
  • ⑤診断と治療
  • ⑥まとめ
  • ⑦感想

 

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リウマチ性疾患患者に対してのCOVID-19ワクチンACRガイドライン- Ver.1

American College of Rheumatology Guidance for COVID-19 Vaccination in Patients with Rheumatic and Musculoskeletal Diseases - Version 1 [published online ahead of print, 2021 Mar 17]. Arthritis Rheumatol. 2021;10.1002/art.41734. 
 
9人のリウマチ専門医/免疫学者・2人の感染症専門医・2人の公衆衛生医によるタスクフォースから提唱された推奨
免疫抑制剤とワクチンのタイミングについての記述あり
 
  • ①リウマチ疾患患者に対してのCOVID-19ワクチンへのコンセンサス
  • ②免疫抑制薬使用中のリウマチ性疾患患者に対してのCOVID-19ワクチン接種のタイミング
  • ③リウマチ性疾患患者におけるCOVID-19ワクチン接種に関連した免疫抑制剤の使用とタイミング
  • ④感想
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長期ステロイド投与患者に対してのデノスマブVSアレンドロン酸

“Denosumab versus alendronate in long-term glucocorticoid users: A 12-month randomized controlled trial" Bone. 2021;146:115902.
 
香港からのRCT→アジア人のステロイド骨粗鬆症患者において、脊椎の骨密度改善はデノスマブがアレンドロン酸よりも優れていた
 
  • 長期ステロイド投与によってステロイド骨粗鬆症(GIOP)を発症し、脆弱性骨折リスクとなる
  • それに対する治療として経口ビスホスホネート(BP)製剤やデノスマブ(プラリア®)がある
    • 経口BP製剤は週1or月1
      • 代表例がアレンドロネート
    • デノスマブは半年に1回の注射製剤
  • 小規模なRCTではデノスマブの方がBP製剤より優れているとされている
→大規模なアジア人に対してのRCTを実施
 
  • Method
  • 結果
  • Discussion
  • 感想

 

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