膠原病・リウマチ一人抄読会

膠原病内科の勉強・アウトプットのため、読んだ論文等を投稿していく予定です。間違いがあれば遠慮なくご指摘ください。個別症例相談には応じられませんのでご了承ください。

ANCA関連血管炎における胸膜炎・心膜炎

Pleuritis and Pericarditis in ANCA-Associated Vasculitis Chest. 2021;S0012-3692(21)00449-9.

 

ANCA関連血管炎(AAV)はどこにでも炎症を起こすので、当然胸膜炎・心膜炎を起こすこともある

→ANCA関連血管炎における胸膜炎・心膜炎の頻度・特徴を調べてみた

 

結論としては、「よくわからない胸水・心嚢水+炎症反応高値でANCA陽性」という症例がいたら、AAVの可能性はもちろんあるが、AAV以外の否定or他臓器の生検(胸膜生検含)を先に検討すべき、といったところか

 

AAV全体像に関しては↓参照

 

ctd-gim.hatenablog.com

 

 

  • 方法
  • 結果
  • Discussion
  • 感想

 

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全身性強皮症と自己抗体

Antinuclear Antibodies in Systemic Sclerosis: an Update. Clin Rev Allergy Immunol. 2020;58(1):40-51.
 
全身性強皮症は抗核抗体疾患の一種と分類されるが、色々と特異的抗体がある
メジャーなものとして抗Scl-70抗体、抗セントロメア抗体、抗RNAポリメラーゼⅢ抗体、抗U1-RNP抗体があるが、他にもマイナーな抗体があり、それぞれで予後が大きく異なる
 
  • (一覧表)
    • ①抗Scl-70抗体(抗トポイソメラーゼⅠ抗体)
    • ②抗セントロメア抗体
    • ③抗RNAポリメラーゼⅢ抗体
    • ④抗U3RNP抗体
    • ⑤抗U1RNP抗体
    • ⑥抗Th/To抗体
    • ⑦抗NOR 90/hUBF抗体
    • ⑧抗U11/U12RNP抗体
    • ⑨抗PM / Scl抗体
    • ⑩抗Ku抗体
    • ⑪抗RuvBL1 / 2抗体
    • ⑫抗eIF2B抗体
  • (まとめ)

 

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ANCA関連血管炎と肺病変

Sebastiani M, Manfredi A, Vacchi C, et al. Epidemiology and management of interstitial lung disease in ANCA-associated vasculitis. Clin Exp Rheumatol. 2020;38 Suppl 124(2):221-231.
 
 
原因不明の間質性肺炎を見たとき、何となくANCAを測定している例があるが、「ANCA関連血管炎関連間質性肺炎」とはなんぞや?という疑問に対する一定の答え。
 
  • (前置き)
  • ①GPAにおける肺疾患
  • ②EGPAと肺病変
  • MPAと肺病変
  • ④ANCA関連血管炎と間質性肺疾患
  • ⑤ANCA陽性の特発性間質性肺炎IIP
  • ⑥間質性肺疾患への治療
  • ⑦今後の展望
  • ⑧まとめ
  • ⑨感想

 

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難治性巨細胞性動脈炎に対してのTocilizumab単剤 VS Tocilizumab+免疫抑制剤併用

Semin Arthritis Rheum. 2021;51(2):387-394.
 “Tocilizumab in refractory giant cell arteritis. Monotherapy versus combined therapy with conventional immunosuppressive drugs. Observational multicenter study of 134 patients"
 
巨細胞性動脈炎の治療としてステロイド+メトトレキサートで治療し、難治性ならTocilizumabに切り替えるというのは巨細胞性動脈炎治療でよくある光景だが、その際にMTXは残すかどうか?というのは結構好みが分かれるところと思われる。
併用しておいたほうが効果が高そう
 
  • 前置き
  • Method
  • Result
  • Discussion

 

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早期関節リウマチに対してステロイドを使用すべきか?

Rheumatology (Oxford). 2021;keab151.
Should we use glucocorticoid in Early Rheumatoid Arthritis? : Results at 5 years from the ERA UCLouvain Brussels cohort."
 
関節リウマチに対してのステロイドの立場とは結構微妙であり、RAに対しての最新のACR推奨では以下のようになっている
中〜高疾患活動性の場合
  • DMARDs併用治療で短期間(3ヶ月未満)のステロイド非併用治療をDMARDs単剤+ステロイド併用治療よりも推奨する(条件付き)
  • DMARDs併用治療で長期間(3ヶ月異常)のステロイド非併用治療をDMARDs単剤+ステロイド併用治療よりも推奨する(推奨度高)
短期であっても基本的にはステロイドを併用しないことが推奨されている
短期であってもステロイドによる副作用が 起こることもあるため、かなりRAに対してのステロイドは嫌われているが、症状緩和作用としての役割は未だにあるもよう
→大規模コホートを用いてステロイドの有益性・副作用を調査した
 
結論としてはどちらとも言えないが、
ステロイド使用によって疾患活動性は非併用群とそんなに変わらなくなっているが、約1/4は5年経ってもステロイド中止できておらず、bDMARDs併用・重症感染症が多い
ということは覚えていたほうがよさそう
 
  • Method
  • 結果
  • Discussion
  • 感想
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ANCA関連血管炎に対するAvocopanVSステロイド(ADVOCATE Trial)

NEngl J Med 2021; 384:599-609
 
各方面で話題となっているが、一応まとめ。
  • AvocopanはC5a受容体阻害薬で、補体経路に対して作用する薬剤である
  • ANCA関連血管炎(AAV)の病因の中心は、C5aを介した好中球への作用であることが知られている
  • 従来のAAV治療の中心はステロイドであるが、Avacopanを使用することでステロイドを一切使用せずにAAVを治療できるようにならないか?という臨床試験
ステロイドと比較して優れているかはともかく、Avacopanによって同等の寛解は達成できていそう
 
  • Method
  • 結果
  • Discussion
  • 感想

 

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関節リウマチの皮膚病変

Autoimmun Rev. 2021;20(2):102735.
 
関節リウマチは滑膜細胞への炎症が主病態であり、関節症状がメインである。
ただ関節外症状も多く、RA患者の17.8〜40.9%に発生するとされる
ただ、その割には過小評価・過小治療されることが多い
→関節外症状に絞ったレビューのうち、皮膚症状の部分まとめ
 
  • ①-1 リウマトイド結節(Rheumatoid nodules)
  • ①-2 Felty症候群
  • ①-3リウマチ性血管炎

 

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